一般社団法人エゾシカ協会

シカ捕獲認証制度スタート!

松浦友紀子

国立研究開発法人森林総合研究所、エゾシカ協会理事


DCC認証の流れ
DCC認証者の活躍の場

 日本全国でシカ問題が激化しており、各地域で捕獲事業が実施されています。この多くは、一般狩猟者に依存した取り組みが主ですが、その一般狩猟者は高齢化と減少が深刻化しています。また、一般狩猟者では対応できない状況も増えつつあります。そのため、シカ管理の新たな担い手の育成が急務です。

 効果的なシカ対策のためには、シカの生息状況、社会的制約、地理的状況等を考慮する必要があることから、新たな担い手を中心とした地域主体の野生動物管理体制の構築が必要です。そこで、先進地である英国のシカ捕獲者認証制度をモデルとして、エゾシカ協会でも2015年度より、シカ捕獲者の教育と認証を行なうシカ捕獲認証制度(Deer Culling Certificate、略称DCC)を創設することにしました。

 認証は講義と試験で構成され、シカの個体数調整を効果的に行なうための捕獲に必要となる、専門知識や技術について幅広く学ぶ機会を提供します(上のイラスト)。その上で、認証を得るためには試験に合格する必要があります。認証には2つのレベルを設けており、レベル1では主に知識、レベル2では技術について認証します。レベル1の講義は40時間程度を予定しており、内容も多岐にわたるため認証のハードルは高いかもしれませんが、質の高い講義や試験を通じて、きちんとした担い手を輩出していきたいと思います。

 またこの認証では、シカを「林産資源」として管理できる人材を認証します。そのため、肉の持続的資源利用のための食肉衛生についても重点を置いています。現在、捕獲数増加だけを視野に入れた事業も多く、動物福祉上問題のある殺し方もされています。資源であるシカを廃棄しているだけではなく、非人道的に殺している状況は、国際的にも理解され難いでしょう。資源価値の高いシカを、ただ殺すのではなく、活用を視野に入れた捕獲を進めるためにも、この認証制度は一助になるはずです(下のイラスト)。

 エゾシカ協会の目的は、「森とエゾシカと人との共生関係の実現に寄与すること」であり、森とエゾシカと人との関係を適正なものにするためには、管理の担い手を育成する必要があります。今後は捕獲から利用までを考慮したシカ管理を進めるために、資源利用を視野に入れた捕獲をコーディネート&実施できる担い手育成に取り組みます。

エゾシカ協会ニューズレター38号(2015年)から


平成27年度シカ捕獲認証レベル1の受講者募集

平成27年度シカ捕獲認証レベル1の受講申込書(エクセルファイル)