2017年4月1・2日の土日に浅草の商業施設「まるごとにっぽん」で行われた「日本食べる祭り2017」で、エレゾ社(豊頃町)社長の佐々木章太さんらによるエゾシカの解体実演&試食ワークショップを開催しました。

日本食べる祭りは、全国に37ある食材付き情報誌「食べる通信」の年に一度の合同イベントで、両日とも各地の食材販売や飲食物の提供が行われ、賑わいをみせました。私が副編集長を務める北海道食べる通信では、同館のクッキングスタジオを利用して、エレゾ社社長の佐々木さんによるエゾシカのモモ肉の抜骨・精肉実演、同社レストラン「ELEZO HOUSE」(渋谷区松涛)の田中シェフによるロースト提供、シャルキュトリの試食を行いました。

日本食べる祭りでのエゾシカワークショップ報告日本食べる祭りでのエゾシカワークショップ報告

参加者からは試食後、「レストランへの販売が拡大しているというが、エゾシカはいなくならないのか?」「エゾシカは臭いといわれるのは何故か?」といった質問が飛び出し、エゾシカは増えすぎてたくさん捕獲しなければならず、利用しているのはその一部であること、トロフィー狙いのハンターが高齢の個体を仕留めて、処理が悪かったり消化管を損傷したりした肉をおすそ分けしてきたことが、臭いに対するイメージの原因であることなどを、佐々木さんが丁寧に回答していました。

私からは、「シカ肉は硬いといわれることがあるが、柔らかく調理するコツがあるのか?」という質問を投げかけ、エゾシカは他の肉に比べて特別硬いわけではないこと、適切な熟成により筋繊維がほどけて柔らかくなること、赤身なので火を通しすぎると硬くなってしまうため、オーブンで火入れする際に途中で休ませること、といったコメントをもらいました。

1時間半という短い時間ではありましたが、終了後も盛んに質問や交流が行われるなど、エゾシカ肉の美味しさと資源利用に対する興味を持ってもらえたことを実感できた、意義のあるイベントとなりました。

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報告 佐々木学(エゾシカ協会会員)