第10回DCCネットワーク研修会「DCC受講者の新たなネットワークづくりと行政との連携可能性について考える」を開催しました(2019年10月26日)。

今回は、研修会初となる道外地域で開催しました。

DCCの活動も2019年で5年目を迎え、受講者数は158名となりました。そのうち約2割を占める37名もの方が道外からの受講者です。DCCネットワークではこれまでにも、DCC受講者のフォローアップを目的とした研修を行なってきました。しかし、道内での開催に限られており、道外受講者の方に参加いただくことが難しい状況でした。今回岐阜県で開催することができ、19名もの方にご参加いただきました。

第10回DCCネットワーク研修会 in ぎふ

研修会は二部構成として、第1部では参加者の方々に一人5分程度で活動紹介をしていただきました。

豚コレラ対策に従事している方、行政職員として鳥獣管理に携わっている方、業務でシカや他鳥獣の捕獲・管理に携わっている方、シカの研究を行っている方、地域のコーディネーターとなって活躍されている方等、それぞれ立場は違いますが真剣に野生動物管理に携わっている様子がうかがえました。

第2部では、DCCの近況報告と他県での人材育成の取り組みについての報告がありました。

DCC事務局から、DCCの近況報告とDCCを活用した北海道の人材育成の取り組みについて報告しました。

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次に他県の取り組みとして、まず長野県鳥獣対策・ジビエ振興室の東度考太氏から、長野県の事例報告がありました。

第10回DCCネットワーク研修会 in ぎふ

次いで、岐阜県環境企画課の陣出成博氏から岐阜県の事例報告がありました。

第10回DCCネットワーク研修会 in ぎふ

最後に、岐阜大学の鈴木正嗣教授から関西広域連合の事例報告がありました。

第10回DCCネットワーク研修会 in ぎふ

捕獲技術は必要ではありますが、円滑かつ統制のとれた事業を実施するためには、人格的基盤として遵法意識や指揮命令系統の遵守(組織的なコンプライアンスやガバナンスへの理解)や安全管理、アニマルウェルフェア等に対する高い意識が不可欠という点が、3つの事例報告で共通していました。つまり、これらも含めた研修が今後の人材育成では必要です。

全国的な捕獲の担い手不足に伴い、各地で盛んに「人材育成事業」が実施されています。しかし、「人格的な基盤」に留意した事業は極めて限られています。また、捕獲の担い手だけでなく、事業を発注する側も、十分な知識を欠くまま対応しているところが少なくありません。

シカの管理を進める上では、どちらか一方ではなく両者の人材育成が必要となります。DCCでは、その基盤となる知識と技術の提供を目指して活動をしています

DCC取得者が各地に配置され、ネットワークを活用した情報共有や協力体制の構築がより強固なものになるよう引き続き取り組んでいきたいと思います。

一般社団法人エゾシカ協会事務局 渡邊拓真