ディアハンターのみなさまへ

 ヨーロッパで鹿肉は“最高級の肉”との評価が定まっていますが、わが国では、野生動物を食べる習慣がほとんどないため、獣の臭いがするとか、肉が硬いなど偏見が強く、ハンターの皆さんだけが舌鼓を打っているのが現状です。

 一方で鹿肉は、高脂血症や糖尿病などの生活習慣病(成人病)患者や食物アレルギーの子供たちも食べることのできる “夢の食材”として各方面から注目を集めています。

 しかし仕留めた後の放血処理が不十分では、高い評価を得ることができません。消費者に美味しい肉を供給するには、クリーン・キル(即死させる仕留め方)と完璧な血抜き、そして衛生的な肉処理技術が必要となります。(中略)

 こうした地道な取り組みを積み重ねていけば、わが国でも“最高食材”として認知されることも夢でありません。“夢の食材の供給”実現は、ハンターの皆さんの腕にかかっています。

2000年12月 社団法人エゾシカ協会「ハンティングマニュアル」から