一般社団法人エゾシカ協会

エゾシカの保全と管理


梶光一・宮木雅美・宇野裕之編著

B5判・266頁

税込み価格4725円

北海道大学出版会

〒060-0809 札幌市北区北9条西8丁目北大構内

Tel: 011-747-2308,Fax:011-736-8605


本書はエゾシカの絶滅と大発生を防止し、長期的に個体数を安定に導くための管理密度、生物学的適正密度や被害許容水準からみた適正密度を検討したものです。ニホンジカの大発生は、日本各地で農林業への激害や天然林への悪影響をもたらし、人間の生産活動や自然生態系を脅かす存在となりました。このようなシカ類の大発生は北米やヨーロッパでも同時代的に生じており、生態学や保護管理上、高い関心が寄せられています。本書では、エゾシカの爆発的増加がもたらした農林業被害や自然生態系への悪影響を低減するための個体群管理方法や、密度上昇がシカ自身の体サイズや繁殖、生息地、農作物、牧草地、人工林へ与える影響評価手法を解説しています。また、エゾシカの有効利用の取り組みなど持続的な資源管理の施策についても提言されています。これらの分野は生態学、数理生態学、農学、林学、畜産学、疫学などの学際領域にまたがり、基礎と応用の研究領域に貢献するほか、エゾシカ一種のみならず、他の野生動物や植生保全を含めた生態系管理のあり方を考える上でも資すること大であるといえます。研究者や行政担当者待望の書です。

【目次】
第I部 エゾシカの歴史と生態
 第1章 北海道の自然環境とエゾシカの歴史
 第2章 分布と生態
 第3章 調査地の概要

第II部 個体群管理と生息地評価
 第4章 道東地域個体群のフィードバック管理
 第5章 高密度化がエゾシカに及ぼす影響
 第6章 土地利用と積雪からみたエゾシカの生息地
 第7章 広葉樹林における餌資源量と森林構造

第III部 農林業被害
 第8章 牧草地で飽食? シカはどのような牧草地を好むか
 第9章 農作物の食害指標を得るために
 第10章 人工林のエゾシカ被害
 第11章 天然林への影響

第IV部 採食生態と外部寄生虫
 第12章 エゾシカはどれぐらいの栄養を必要とするか?
 第13章 エゾシカ寄生マダニ類の生態
 第14章 人獣共通感染症

第V部 エゾシカとの共存を求めて
 第15章 鳥獣行政の歩み
 第16章 適正密度とは
 第17章 保護管理への提言
 第18章 保護管理計画の策定と実践

引用文献