伊藤英人の狩猟本の世界

161.『鷹匠の技とこころ』大塚紀子著、白水社、2011年

161.『鷹匠の技とこころ』大塚紀子著、白水社、2011年

天皇に仕える諏訪流鷹匠の、一般向け解説。

著者は大学卒業論文のテーマに鷹狩を選び、その後弟子入りした。

タカの初速を補うため、飛び立ちと同時に腕を出す。これを羽合(あわせ)るという。鳥が飛び立つ方向に腕を出す。鳥筋を読むのも鷹匠の仕事。「人鷹一体」の境地では、タカ本来のもつ力以上のものが出るという。

鷹匠は、ただ獲物を捕るのではなく、鷹主に捕獲シーンを見せたり、鷹主の腕に据えさせて捕獲させたりできるよう調教しなくてはならない。神経質なタカの調教は根気がいる。狩りの成功率は低いようだ。

いつもドンくさいなと思っていたキジが強敵扱いだったのは意外だった。