伊藤英人の狩猟本の世界

200.『いのちへの礼儀』生田武志著、筑摩書房、2019年

200.『いのちへの礼儀』生田武志著、筑摩書房、2019年

人間の、動物に対する、あるべき姿を探る。かわいくておいしい。この矛盾した感情を抱え、どうあるべきか。自分の誇りある生のため、どう付き合っていくか。動物関係の幅広いテーマを扱う至極真っ当な正統派動物論であるが、よせあつめ感や「机上の空論」感を受けないのは、ヒトと動物の接点の例が身近なために、他人事でなく自分事として問題をとらえやすいからではないかと思う。

豊富な参考文献には、『動物のいのちを考える』『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』『ぼくらはそれでも肉を食う』など、このサイトで紹介してきた私のイチオシが並ぶ。蔵書が似ているかもしれない。


154.『動物のいのちを考える』高槻成紀編著、朔北社、2015年

178.『ぼくらはそれでも肉を食う』ハロルド・ハーツォグ著、山形浩生ほか訳、柏書房、2011年

193.『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』クリス・D・トマス著、上原ゆうこ訳、原書房、2018年