9月8日に阿寒町を訪問して話題のエゾシカバーガーを試食してきました。
案内していただいたのは、仕掛け人の阿寒町商工会・曽我部さんです。最初はイベントなどで提供を始めて、現在は町内2か所でエゾシカバーガーを供しています。
私が連れていってもらったのは、町内のレストラン「赤いベレー」です。エゾシカバーガーは照り焼き・デミーソース味の2種類。値段はフライドポテトとのセットで各400円です。
売れ行きは好調で、多い日は300セットも売れているそうです。原料として1週間で約30kg分の鹿肉を使用しています。つまり、エゾシカ1頭分をほぼ使っていることになります。
テークアウト専用にしているのは、昼食時にメニューに加えると、エゾシカバーガーのお客さんだけで席が埋まってしまい、客単価が下がるためだそうです。
さて、気になるお味の方はどうでしょう。
味付けは試食会を何度も開いて決めたそうですが、一般の方、特に子どもが美味しく食べられるように工夫したそうです。ソースで食べるので、癖のない味になっています。挽肉に豚脂は使っていないようで、「くどくなく」おいしく感じました。
エゾシカ肉の需要を拡大するためには、ロースやモモといったステーキあるいはロースト向けの肉以外の部位の消費拡大をしなければなりません。エゾシカバーガーのような挽肉の活用は非常に良い方法だと思います。
また味に関しては、日本人の美味しさ表現で良くある「柔らかくて、癖がなくて美味しいですね」――に合わせるべきだと思います。まず食べてもらい、次の段階で少し野生のテーストを味わってもらうようにしたら良いと思います。
さて、私の予定表には、春から挽肉料理の試作……と書いてあるのですが、「猟区」の準備に追われて実行できていません。挽肉料理はハンバーグだけではなく、ミートローフ、餃子、肉団子、つくね……とお馴染みの料理法がたくさんあります。是非会員のみなさんもトライしてください。みなさんからエゾシカ協会事務局にレシピや料理の写真を送って頂ければ、HPやニュースレターで紹介させて頂きたいと思います。
写真と文・井田宏之(社団法人エゾシカ協会事務局長)
エゾシカ協会ニューズレター第17号(2004年10月20日発行)から転載 (c)2004 Ida Hiroyuki |