本年(2003年)2月、国連食糧農業機構(FAO)と世界保健機構(WHO)は、“食品の標準化に関する合同計画”において食肉および鶏肉に関する規定委員会の第3次提案として「食肉の衛生管理に関する規定」を発表して、食肉の衛生検査に関する国際的標準を示した。
この提案の基本的な考え方は、危険の発生時には何時でも危機解析が可能な所謂HACCP(危害解析重要管理点方式)に立脚したものである。
この提案の中から野生動物(wild game)に関する部分を抜粋要約して紹介する(下表)。
この提案で、ハンターによる情報の重視と、捕獲後速やかな内臓摘出,放血が勧められていることは当然であるが、摘出した内臓の輸送と検査は日本の現状では現実的ではない。日本の現状では野生動物の衛生検査そのものが行なわれていない。
本提案を参考としながら、日本の現状に合った何らかの検査システムを構築することが、エゾシカ有効利用にとって今後の重要な課題であろう。
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エゾシカ協会ニューズレター14号(2003年11月10日発行)より