一般社団法人エゾシカ協会

(5)北海道の取り組み


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北海道の取り組み

 明治初頭、北海道開拓使が外貨獲得のためにもくろんだシカ革やシカ肉の大量輸出計画は、非常な乱獲を招きました。運悪く豪雪にも見舞われて大量餓死が重なり、エゾシカは一時、絶滅寸前にまで激減したのです。政府は方針をシカ保護に切り替え、昭和中期まで続く長い禁猟時代が始まります。

食害・交通事故が深刻化

 この間、2度の世界大戦を挟みながら、政府は一貫して「北海道開拓」を進め、原生林は次々に農地・造林地に代わっていきました。シカにとっては新しい餌場が出現したのと同じです。天敵だったエゾオオカミは、害獣として徹底駆除されすでに明治期に絶滅。繁殖力に優れたエゾシカは、たった4年で群れの構成員を倍増させます。保護政策と相まってどんどん増え、やがて1996年には農林業被害金額が50億円に達するほど、食害が深刻化します。

1997年から保護管理スタート

 北海道は1989年ごろから、シカの侵入を防ぐ長大な柵で農地を囲んだり、それまで保護してきた雌ジカの狩猟を解禁したりといった対抗策をとりはじめます。97年には全国に先駆けて「エゾシカ保護管理計画」を策定。総合的な科学研究に基づいて対策を更新しながら、人間活動とシカとのあつれきを軽減するとともにシカの安定的な生息水準を確保する――というのが究極の目的です。“増えすぎたシカ”を半減させるべく、年間6~8万頭の捕獲実績を上げてきました。

 しかしシカ害は止まりません。現在の推定生息頭数は50万頭以上とされ、農林業被害に加えて自動車・列車との衝突事故や、世界自然遺産・知床半島などでの希少植物群落の食害が深刻化しています。

「有効活用」に向けて

 シカの増加を止めるには、捕獲するしかありません。しかし狩猟者は減少・高齢化し、また趣味の「狩猟」と、ボランティアに頼らざるを得ない「許可捕獲」だけでは、もはや限界に達しています。そこで北海道では、エゾシカの「地域の自然資源」としての価値を高めることで個体数管理に貢献する「エゾシカ有効活用循環システム」構築を急いでいます。「エゾシカ有効活用のガイドライン」を設けて産学官の連携を図り、2007年には関係団体や大学を交えた「エゾシカ有効活用推進連絡対策協議会」(鎌田公浩会長、石子彭培・近藤誠司副会長)が設立されました。協議会は海外調査などを実施しながら、総合的なエゾシカ有効活用政策を提言しています。

 エゾシカは道知事の許可なしには捕獲できません。「狩猟」と「許可捕獲」の2制度があり、「狩猟」の時期はおおむね10月~3月。「許可捕獲」は狩猟期以外に行なわれます。捕獲法には、銃猟とワナ猟があります。詳しくは北海道環境生活部環境局自然環境課


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