「子鹿のメメちゃん」の思い出 撮影旅行参加の強そうな女性が、この子鹿を予想だにしていなかった優しい声で呼びました。すると子鹿はその声にこたえてひょこひょこと目の前まで寄ってきました。無垢な子鹿には人の気持ちが通じたのでしょうか。 メメちゃんは四歳を迎えて、他をぬきんでた大きな成獣になりました。鹿たちに恋の季節が来たある日、メメちゃんは飼育の世話をしていた二人の男性を突き倒したのです。除角していたので二人は一命を取り留めましたが、一人は全治三月の重症を負いました。メメちゃんは子孫を残すことが出来ずこの世を去りました。 2004年7月、知床で。 |
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