一般社団法人エゾシカ協会

ルポ・日本の生物多様性


平田剛士・著、地人書館、1890円

「ワイルドライフ・マネジメント」について取材と執筆を続けています。昨年春に出した本書では、西興部村でのエゾシカ猟の様子をつぶさに取材。「ディアハンターは鹿を絶やさない」という章を立てて、ハンターの「クリーンキル」に始まる有効活用の重要性について、詳しく報告することができました。

また、沖縄で絶滅の危機にあるジュゴン、琵琶湖で在来種を圧迫しているブラックバス、天売島の絶滅危惧種ウミガラス(オロロン鳥)、高山植物の盗掘阻止に漕ぎ着けた崕(きりぎし)山、渡島半島のヒグマ、道東のイトウなどの現状も詳細にルポ。保護管理先進国ニュージーランドからのスペシャルリポートも交え、各地で活躍する「保全と再生に挑む人びと」(副題)の姿を追いました。(自薦・平田剛士=フリーライター)