肉の火入れ

川手寛康著、柴田書店、2017年

フランス料理シェフによる、ブロック肉を最高においしく焼くためのレシピ。

肉の状態を見て調理時間を判断する。サシが多いと中まで火が通りやすいので、加熱時間が減る。

ガスコンロを使いフライパンで焼くのは、肉の表面に加工を施し食感に変化を与えるのがおもな目的であり、それだけで内部まで火を通すのは難しい(家庭料理では必然的に薄い肉を使うこととなる)。内部温度を上げるためにはオーブン、しっとりと仕上げるためにはスチームコンベクションオーブンを用い(もちろん業務用)、出し入れと余熱調理を繰り返し、最高の状態で提供される。オーブンの焼きムラまで計算され、食感を多様にする。

肉にかける情熱がすごい。「自然の恵みに感謝」「おいしくいただく」などと言っている狩猟者は、肉をどう扱っているのだろうか。(2025年5月記)