青山則靖「料理の理」

エゾシカのカツレツ

エゾシカカツレツ

エゾシカは、赤身で脂身が少なく、旨みがしっかりあるお肉です。その赤身の旨みを閉じ込めて存分に味わうのにおすすめなのがカツレツです。

部位はモモで、筋の少ない外モモ・内モモ・シキンボあたり。繊維に対して垂直に切り(ステーキカットの要領で)、厚さは1~2cmくらいがおすすめです。

エゾシカ肉を常温に戻し、塩・胡椒して、小麦粉→卵(牛乳で溶いたもの)→パン粉の順で付けていきます。ポイントは小麦粉をしっかりつけて、しっかり払うこと。ここを厚付きにしてしまうと、卵液をはじいてパン粉の付きにムラができてしまいます。

油の温度は180℃程度、油にいれたら2分は触らずに揚げます。油に入れた直後は衣が出来る前で一番はがれやすい時です。カツレツは衣の中で旨みや肉汁を溜めている状態なので、はがれると旨みが外に逃げてしまいます。

2分経ったら裏返して更に1分揚げます。そして油からあげたら2分ほど予熱で火を通すと同時に、肉汁を落ち着かせます。揚げたてが一番な感じがしますが、揚げたてを切ると油も切れていなく肉汁も落ち着いていないので、どんどん漏れ出してしまって、折角の美味しさを逃がすことになってしまいます。少し休ませることで肉汁がお肉に留まり、しっとりと仕上がります。

このままで十分美味しいですが、おすすめのソースはハニーマスタード。粒マスタードをハチミツと少量の練り、辛子と酢で溶くと、酸味と甘みがエゾシカの旨みを引立てます。

イラストと文・青山則靖

Kitchen Support 青


一般社団法人エゾシカ協会ニューズレター第45号(2018年10月)から。