一般社団法人エゾシカ協会は2019年11月19日、北海道環境生活部生物多様性保全課との共催により、市町村エゾシカ対策担当職員研修会「DCC基礎コース」を江別市の酪農学園大学で開催しました。

エゾシカ対策研修会「DCC基礎コース」開催、道内市町村職員ら参加

道内各地の市町村役場で、今年度新たに鳥獣担当になった職員を主な対象に、今回初めて開催しました。全道179市町村のうち、各振興局から27市町村の職員32名、環境省職員1名の計33名にご参加いただきました。

研修会の基盤となるのは、もちろん〝シカ捕獲認証制度(DCCレベル1)〟。

DCCレベル1は、シカの個体数管理や資源利用に求められる幅広い専門知識を講習するものですが、そのなかでも基礎的な5つのテーマ、①シカの生態・生物学、②捕獲手法、③捕獲の枠組みごとの目的、④モニタリング、⑤食肉利用に適したシカの衛生的な取り扱いについての講義を行ないました。このコースは、DCCレベル1のプレコースとして、基礎の基礎を伝える場と位置づけています。

講義後には、ワークショップ形式で参加者同士のディスカッションを促しました。参加者からは「将来、役場職員も捕獲業務を担う必要があるのではないか」(新ひだか町)、「罠による捕獲数が増えてきている。捕獲個体の処理方法が今後の課題」(江別市)といった発言があり、異なる自治体同士の間で、シカ対策業務をする中で生じた悩みや課題を共有することができたと思います。

当協会にとっても、鳥獣対策の経験の浅い市町村職員に対象を絞った初めての研修会であり、今回の結果を踏まえて、よりニーズにお答えできるよう、次回に向けた改善を検討したいと思います。シカ管理や捕獲をコーディネートする立場の市町村職員の皆様も、是非DCCをご活用ください。

一般社団法人エゾシカ協会事務局 渡邊拓真