学名
Cervus nippon yezoensis
和名
エゾシカ、蝦夷鹿
アイヌ名
ユク(総称)
ポイユク(1歳)、リャポイユク(2歳の雌)、リャウ(2歳の雄)、トゥパリャユク(3歳)、ピンネラウ(3歳の雄)、モマンペ(3歳以上の雌)、レパポナプカ(4歳の雄)、アプカ(5歳以上の雄)など多数
出典/知里真志保『分類アイヌ語辞典』
分類
日本列島とユーラシア東部に自然分布するニホンジカ(Cervus nippon)に属する13亜種のうち、国内最大の亜種。
体色
夏毛は明るい茶色に白い斑点がついた「鹿の子」模様。中国語でニホンジカを「梅花鹿」と書くのはこのためです。秋に換毛し、冬毛は灰褐色。繁殖期の雄たちは自分を強く見せるために泥や自分の尿を体中に塗りたくるので、焦げ茶色に見えます。
食性
野草や木葉、農作物を食べ、積雪期は主にササや樹皮を食べます。
ひづめ
スパイクの役目をするひづめを持ち、速く走ることができます。
反芻(はんすう)
ウシのように胃を4つ持っています。最初の胃には微生物を住まわせ、哺乳類が消化できない植物繊維を微生物に分解させてから消化します。
枝角
オスは3叉4尖に分かれた枝角を持ちます。満1歳ではふつう枝分かれしません。角は、雄同士が雌を巡って闘う時の武器。勝ったオスは複数のメスを独り占めにすることができます。角は毎年はえかわります。
出産
メスは2歳になると毎年6月ごろ1頭の子どもを産みます。子ジカは生まれて30分もすると歩けるようになりますが、2週間ほどはやぶの中などに隠れてじっとしています。
越冬
秋までに体脂肪をたくわえて北海道の厳しい冬に備えます。個体によっては、雪が少なく針葉樹の多い越冬地まで数十kmも季節移動します。寒さや積雪の厳しい冬には、多くのシカが死ぬこともあります。