伊藤英人の狩猟本の世界
20.『マンモスの骨でつくった楽器』S. N. ビビコフ著、新堀友行・金光不二夫訳、築地書館、1985年
ウクライナのメジン遺跡で発掘されたマンモス骨製品の数々。牙と肩甲骨で「骨組み」を造った家屋の復元図がおもしろい。さらに、この遺跡では、使用痕などから打楽器と特定された骨が見つかっている。さあ、音楽はどこまで復元できるか? 実際にたたいてみた音が付録のソノシートに収録されている。レコードプレーヤーさえあれば2万年前の音を聴くことができる。太古のご先祖に思いを馳せていると、「マンモスの骨盤の音です」といきなりナレーションが入る。