伊藤英人の狩猟本の世界

46.『筆・墨・硯・紙』植村和堂著、理工学社、1977年

獣毛はやわらかくしなやかで、筆の穂先に使われる。動物種により性質が違い、それぞれを生かした用途がある。ときには混ぜて使う。本書は動物種ごとに毛質が簡単に述べられている。たとえば、タヌキは黒毛より白毛がやわらかい。実際に毛をさわってみてもわかる。鹿毛は墨を洗い落としやすく、画筆に好まれているらしい。筆のつくり方の図説があるが、素人には難しそうだ。 文房具の老舗・鳩居堂のホームページにも、各獣毛の特性が解説されている。

46.『筆・墨・硯・紙』植村和堂著、理工学社、1977年