伊藤英人の狩猟本の世界
147.『百発百中 銃猟の秘術』五十嵐善孝著、富文館、1939年
猟犬と銃を使った鳥猟における、著者の持論。理論は科学的でなく、言いたい放題で、「獲物を眼で見るのではなく、指で引き金をひくのではない!」と熱弁を振るっている。農夫のふりをしてムナグロに近づくなど、工夫がみられる
23区東部がタシギの絶好の猟場として紹介されていて、当時の動物相の豊かさがうらやましい。一方、大中型獣は少なかったようである。
感想としては、猟犬のケアや鳥の飛び立たせ方、鳥の逃げ方など、ワナ猟とは異なる技術が要求されていて興味深かった。いろいろな狩猟をやってみて、自分にあったスタイルに行き着くのが望ましいのかもしれない。