伊藤英人の狩猟本の世界
188.『新改訂 牛肉』森安常義著、瀬戸出版、2006年
枝肉を買い取るお肉屋さんの教科書。1983年の初版から2度目の改訂。枝肉から精肉する技術を図説。骨スキ包丁の握りを変えながら、骨に沿ってみごとに刃を動かしている。豊富な解体経験で得た自信と、確かな腕前が光る。
解体ナイフを「骨スキ」と「すじ引き」の2種類に分けている。すじ引きは細身で、西洋のボーニングナイフに近い。解体ナイフについて、「40丁以上そろえているが、これだけないと、何日もぶっとおしの捌きとすじ引きにをする時には十分とはいえない」とある。ナイフコレクションの意義を家族に理解されない方は、この本を見せるといいかもしれない。私は「そんなに捌かないじゃん」といわれ撃沈した。場数が違いすぎる。