伊藤英人の狩猟本の世界
197.『動物になって生きてみた』チャールズ・フォスター著、西田美緒子訳、河出書房新社、2017年
著者は、アナグマ・カワウソ・キツネ・アカシカ・アマツバメになりきり、それぞれの生活をレポートする。イグノーベル賞受賞。文学的な表現と生理学的視点があるからこそ、かろうじて科学的にまとめられている感じに仕上がっているが、やっていること自体はブッ飛んでいる。ミミズのテイスティングや糞によるマーキングなど、よい子はマネしないでほしいと思ってしまうが、自分の子にやらせている点はなかなか熱心だ。
アナグマがもっともワナ猟の参考になった。鋭敏な鼻が地面の近くにあるために、独特の臭環境を知覚している。アナグマの鋭敏さがなくとも、臭環境を意識しておきたい。