伊藤英人の狩猟本の世界
52.『アメリカ・インディアンの詩』金関寿夫著、中央公論社、1977年
狩猟民族の詩。大地への祈り、白人に対する怒りなどから、彼らの世界観が滲み出てくる。農耕民からみて狩猟は「野蛮」に思われることがあるが、狩猟民にとっては逆である。「きみたち白人は、おれに土を耕せという。きみたちはおれにナイフをとって母なる大地の乳房を切り刻めというのか。そんなことをすればおれが死んだとき、母はおれをその胸に抱きとり休ませてはくれないだろう。」(ネペルセ族)
いまでは、彼らが生まれ育った自然環境も生活もすっかり変わってしまった。彼らの偉大な魂は滅びるのか、受け継がれるのか。狩猟技術も失われてしまうのだろうか。