伊藤英人の狩猟本の世界
86.『林学講座第三巻』「狩猟術」久川學而著、共生閣、1932年
林学講座は、林学のさまざまな分野を各20ページくらいにまとめたテキスト。注目は「狩猟術」。基礎的な生態、農林業被害から狩猟法まで、おもな鳥獣について解説されている。狩猟法は、狙うべき位置や巻き狩りの追いつめ方、用いる猟犬の種類など、なかなかていねい。
その後、林学では、狩猟は「森林保護学」の中で、病虫獣害の防除の方法の一つとして少し登場するものの、重視されてこなかった。しかしようやく、2013年1月、朝倉書店から『野生動物管理のための狩猟学』という本が出るらしい。表紙がシブくてオシャレというウワサ。