伊藤英人の狩猟本の世界

85.『坂本式動物剥製法』橋本太郎著、北隆館、1977年

剥製製作についての数少ない体系的技術書。大きめの線図と写真を効果的に配置し、文字がゆとりをもって組まれているため非常にわかりやすい。説明も細かい。著者の師である坂本三六は、日本の剥製師の草分け。その息子・喜一も、キリンの剥製2体を製作した。読者対象に少年少女、動物専攻の学生、理科の先生を挙げているが、残念ながら剥製技術はそこまで普及していないように思う。命を扱ってきた著者の思いが巻末に書かれている。狩猟者はマナーが悪いとされ、わざわざ狩猟法抜粋が載っている。

85.『坂本式動物剥製法』橋本太郎著、北隆館、1977年