伊藤英人の狩猟本の世界

93.『自然倫理学』アンゲリーカ・クレプス著、加藤泰史・高畑祐人訳、みすず書房、2011年

93.『自然倫理学』アンゲリーカ・クレプス著、加藤泰史・高畑祐人訳、みすず書房、2011年

「自然倫理学」は、生命倫理学や環境倫理学よりも少し広い範囲が対象。あらゆる自然保護論や意見を集約・分類し、立場、妥当性、反証可能性を吟味している。予備知識があまりいらないほどていねいな説明なので、タイトル・厚さにひるむことはない。
生態系中心主義的全体論については、22.『自然との和解への道』著者のマイヤー=アービッヒを引用している。マイヤー=アービッヒの理論は、生態学を学んだ人にはとくに受け入れられやすいように思う。