伊藤英人の狩猟本の世界

118.『小型肉食獣のなかま』本川雅治監訳、朝倉書店、2013年

118.『小型肉食獣のなかま』本川雅治監訳、朝倉書店、2013年

World of Animalsシリーズ(Brown Bear Books刊)の訳本。原著は版元倒産のため入手困難、しかもこの訳本は内容の補足と訂正があるので、訳本を買うのが賢明。

本シリーズの売りは写真だが、説明が専門的で細かく、一般向けというよりは研究者・マニア寄り。毛皮獣情報が盛りだくさんで、日本在来種のアナグマ、オコジョ、イイズナをはじめ、アライグマ、クズリ、ジャコウネコ、マングースなどの詳しい生態や歴史が日本語で読める本は希少。てゆうか超かわいい。キツネ、タヌキ、ハクビシンは出てこない。

とりあげられている動物のいくつかは、「侵略的外来種」として日本でもおなじみで、彼らと日本人の歴史は始まったばかりである。われわれは外来種とどのようにつきあい、新たな歴史を紡ぎ、文化を築いていくのか。