伊藤英人の狩猟本の世界
119.『ヘラジカの贈り物』山口未花子著、春風社、2014年
カナダ西部の少数民族カスカを対象とした人類学的調査の成果。狩猟採集民のなかでも動物と人の関係が近い。宗教に頼らず、「できるだけ利用する」「動物で遊ばない」「余計にとらず分ける」というシンプルなスタイル。私の理想と重なるので、今後はカスカスタイルを目標とすることに決めた。先住民は都市環境の影響を受けている。都市民の私も、同様に、先住民の影響を受けたい。
「先住民は何でもとっていい」という狩猟ルールがユニーク。とるのはおもにヘラジカとビーバーで、カリブーもとれるがヘラジカが別格。
紹介されていた簡易皮なめし法は使えそう。なめし道具の石製・金属製スクレイパーの形状を写真か図で示してほしかった。