伊藤英人の狩猟本の世界
126.「季刊地域」15号、農文協、2013年
特集が皮革加工。基礎知識、皮のはぎ方、自家用ミョウバンなめし法など、初心者にありがたい情報が満載。
肉だけのために狩猟をするのはもったいない。寒冷地の動物は寒さに適応した毛と皮を備えており、北方の狩猟民族はそれらを衣類やテントの素材として重用してきた(「トナカイに乗った狩人たち」参照)。テンやミンクなどの高級毛皮は愛護団体のバッシングをはじめ負のイメージを伴うが、保温性を活かす伝統技術が元となっている。
野生個体のなめし依頼を受け付けてくれる業者のリストも掲載。試しにわが獲物をなめしてもらった(写真:左はアライグマ、右はタヌキ)。
これまで私は皮の脂落としに相当な労力を費やしていたが、この労力に見合わないほどの安さと極上の仕上がりに感服し、毛皮の価値を再認識した。なめしは少しずつ練習しつつ、手が回らない分を委託、という形が現実的と思う。余力ができたおかげで、レザークラフトやれそうな気までしてくる。職人さんに感謝。
ちなみに雑誌バックナンバーはネットより書店が得意。出版社には在庫があるので、取り寄せてもらうのがいちばん。