伊藤英人の狩猟本の世界

128.『たぬきの冬』石城謙吉著、朝日新聞社、1981年

128.『たぬきの冬』石城謙吉著、朝日新聞社、1981年

元北大苫小牧研究林林長による動物生態学に基づく随筆。鳥が中心で、シカは出てこない。

「イタチの最後っ屁」に言及した本は初めて見た。やはり、独特のニオイはあるものの「最後っ屁」は存在しないようである。
研究者に対し「じいさんの言うとおり」と言わしめたクマ猟師は本物。

学生にとって動物を研究対象にするというのは想像が難しいので、こういう本が助けになる。しかし、本が売れない今、残念ながら、このような本はめっきり少なくなっている。

北海道方言を補足すると、「コクワ」はサルナシ、「トウキビ」はトウモロコシ、「つぼ足」はカンジキなどを装着せずに積雪ゾーンに入ることをいう。得ていないのに食べていることを恥じ、自然と狩猟をするらしい。