伊藤英人の狩猟本の世界

132.『GO WILD』J.J.レイティほか著、野中香方子訳、NHK出版、2014年

132.『GO WILD』J.J.レイティほか著、野中香方子訳、NHK出版、2014年

体に支障をきたしている現代人は、野生に帰れ! というコンセプト。再野生化(rewilding)というらしい。いわゆる「ダイエット本」とは少し異なり、やりかたがやさしくない。文明や科学を否定しているわけではない。ヒトは長い長い狩猟採集時代に、狩猟(忍び猟が近いかも)に適応しつつ進化してきた。体は長距離の追跡に耐えるようになっている。体づくりには、食事を肉中心にすべし! 運動を生活にとりいれよ! ということである。食事の制約は、米をよく食べる日本人にはちょっと厳しい。肉が体に悪いというイメージは、脂や赤身ばかり食べるせいであり、内臓まで食べればバランスがよいという。

運動は精神にもよいらしい。私は、ムダに摂りいれたエネルギーを、ランニングマシンなどでムダに消費するのではなく、狩猟や農業などの生産性のあるダイエットが望ましいと思っている。