伊藤英人の狩猟本の世界
145.『マンガでわかる動物倫理』伊勢田哲治著、化学同人、2015年
動物にまつわる難しい倫理問題が、マンガの利点を活かして身近な感じでわかりやすく整理されている良書。そろそろ欧米の後追いに終始せず、日本人が自分であり方を考える時、と著者は感じている。狩猟・駆除の問題は第8章。
各論は映画まで網羅した詳しい文献にまかせることで、定価を抑えつつ、深く掘り下げたい読者に対応している。もっと盛り上げなければならない分野の裾野を広げる手段として最適なツールである。
私が携わった本が文献欄に2冊も取り上げていただいており、出版人として誇りに思う。狩猟者以外の方にもぜひ読んで、好きなテーマについて考え抜いてほしいと思う。