伊藤英人の狩猟本の世界
206.『日本の食肉類』増田隆一編、東京大学出版会、2018年
食肉類の生態などのトピックを種別に解説した本。食肉類はサンプル数を稼ぐのが難しいものが多く、研究者も限られるため、これだけまとめるのは苦労したと思われる。イイズナとオコジョの章はロシアの研究者に書いてもらっている。しかし、日本の食肉類(また、その研究)の現状について、各動物種に詳しい気鋭の研究者によってまとめられており、たいへん勉強になる。高い本は敬遠されるご時世だが、こうした本は学生が買って読むべきものであると思う。
私が昔お世話になった方々も出てくるので、親近感がある。同時に、日本の食肉類研究の世界が狭いのかな、もっと盛り上がればいいのになと感じる。狩猟者も積極的に貢献してほしいと願う。