伊藤英人の狩猟本の世界

208.『肉食の社会史』中澤克昭著、山川出版社、2018年


208.『肉食の社会史』中澤克昭著、山川出版社、2018年

日本史に表れる、肉食のタブー、うしろめたさ、正当化について、引用・例示しながら時系列で解き明かしていく。独創的な名著『歴史のなかの米と肉』(原田信男著)、『殺生と往生のあいだ』(苅米一志著、No.177で紹介)などの引用が多く、もうちょっと著者の見解を読みたかったなとも感じるが、膨大な文献をひとつの軸でまとめてもらったのは読者としてありがたい。狩猟者としては、殺生である狩猟の正当化の歴史が興味深い。