伊藤英人の狩猟本の世界
214.『日本人の食性』南川雅男著、敬文社、2014年
日本人が何を食べてきたのかを、骨などの同位体分析の結果から類推する。主食は作物か、サケマスか、肉か? 北海道では4000年前、シカがいるのにイノシシをわざわざ本州から運んできて食べていた!?
分析では、好き嫌いなどの好みを考慮しなければならず、資料による裏づけが欠かせない。分析の再現性をみるために現代人も分析しているのもおもしろい。
肉を好んで食べた新人は、ユーラシア大陸全域に拡散した。「わたしたちの祖先もその末裔であるかもしれない。とすると、日本人の性質にも、どこかに狩人の本能が宿っていてもおかしくはないかもしれない。」さあ、内なる狩猟本能を呼び覚まそう。