伊藤英人の狩猟本の世界
249.『手塚マンガでエコロジー入門』手塚治虫著、子どもの未来社、2019年
差別、戦争、外来種、廃棄物、放射線。これだけの重いテーマを、マンガという手法で、子どもにもわかるよう表現するのはすごい。マンガの間に差し込まれるエッセイが、的確に解説している。現実のいのちを体験する機会が減るなか、バーチャルな世界にいないで、いのちに触れてほしいというのが親としての願いである。どうぶつの森にあつまっても生と死は学べない。小学校高学年あたりで読んでほしい。
『はだしのゲン』までコンプライアンス規制の対象にされかねないいま、過去の名作に触れさせるのは大きな意味があると思う。このような復刻版発行に携わる大人たちも同じ思いがあることだろう。