調査研究
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個体群モニタリング
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スポットライトカウント調査
- 夜間に強力なライトで森や草原を照らすと、警戒して振り向いたシカの目が光って見えます。そのことを利用して、日没後に低速走行の自動車の窓から道路の左右をライトで照らし、シカを数えます。同じルートを定期的に調査することにより、そのエリアのシカ個体数や密度の動向をつかみます。
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カメラトラップ調査
- センサーカメラを用いて、シカの個体数、群構成、日周活動性などの情報を把握しています。寄せ餌の効果判定や、捕獲ワナへの侵入状況などのモニタリングにも活用できます。
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GPS首輪を用いた行動調査
- 生け捕りにしたシカに位置情報を測位・記録できる「GPS首輪」を装着して、放獣します。首輪が発信する信号をモニターしながら、シカの季節移動や利用環境などを把握します。
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捕獲個体の分析
- 個体群管理には、群れの構成員たちの年齢・繁殖・栄養状態などのデータ把握が欠かせません。それらの情報は捕獲個体から得ることができます。年齢は、歯列を観察して「萌出交換」のパターンから推定します。また、胎子や卵巣の観察から繁殖状況を把握し、臀部脂肪高や腎周囲脂肪量から栄養状態を評価しています。
先進国事例の収集
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アメリカ
- 「シャープシューティング」や「夜間狙撃」といった特殊な捕獲技術を習得するために、米国の野生動物保護管理機関によるフィールド・トレーニングに参加しています。
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イギリス
- 英国狩猟協会協力のもと、現地の研修コースに参加して英国シカ捕獲認証(DSC)を取得。先進的な捕獲者育成制度について情報収集をしています。