伊藤英人の狩猟本の世界

122.『ホルモン奉行』角岡伸彦著、解放出版社、2003年

122.『ホルモン奉行』角岡伸彦著、解放出版社、2003年

有害捕獲では大量に余る内臓の処遇が問題になっているようだが、狩猟では食べるに限る。部位によっては処理がたいへんなうえに足が早いものの、多彩なおいしさと食感がある。

日本では内臓をどう食べてきたか。この本では、屠畜を担ってきた部落の人々や在日朝鮮人の調理を学べる。店屋物の味だけでなく、家庭料理、下処理の方法も細かく書かれているので、実際につくってみることができる。

BSE騒ぎの混迷も記録。新潮文庫版もある。