伊藤英人の狩猟本の世界

193.『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』クリス・D・トマス著、上原ゆうこ訳、原書房、2018年


193.『なぜわれわれは外来生物を受け入れる必要があるのか』クリス・D・トマス著、上原ゆうこ訳、原書房、2018年

外来種は駆除すべしという短絡的な考えを批判する。むしろ、多様化が進み、進化のスピードが速まっているのではないか、という衝撃的な仮説を立てている。ここが192と異なる点。

未来に「変化しない」という選択肢はない。そのなかで何かしていかなければならない。それにしても、ヒトの影響は強すぎる。家畜がいなかったら1か月で地球上の大型動物を食べつくすそうである(家畜に感謝)。

人類到達前の自然に復元するならば、どこの陸地でもゾウがそこらじゅうにいる状態らしい。これは無理。やはり、「手つかずの自然」幻想は実現できないとするのが妥当なようである。