山田仁史著、亜紀書房、2017年

普段あまり食べられていない「犬」「土」「人」の食をテーマに書かれたもの。私のワナにはいろいろな動物がかかり、いろいろ食べてみるが、どんな生き物だろうが加熱して醤油を垂らせばだいたいおいしいのに、あるものは食べ、あるものは食べないという人間の都合がおもしろい。禁忌や薬用など、特別な意味もついてくる。純粋な味ではなく文化的背景があるから、肉食は奥が深い。犬食は中国・台湾などアジアのイメージがあるが、アフリカでも広く行われている。
3つのテーマのうち「人」については、気持ち悪い本がいろいろ出ているが、ここでは民族学的にまともに扱われている。日本にも「骨かみ」「骨こぶり」という食骨習慣があるらしい。